▽石破茂内閣は9日、衆院を解散しました。衆院選の日程は15日公示、27日投開票で決定。首相就任から8日後の解散は戦後最短です。首相は勝敗ラインについて「自民党、公明党で過半数を目指したい」と語りました。
「裏金議員」の追加公認言及
自民党は、派閥の裏金事件で処分を受けた萩生田光一元政調会長ら計12人を非公認とすることを決めました。しかし、党首討論で首相は、非公認議員が選挙で勝利すれば、「(追加)公認することはある」と語りました。
9日、衆院が解散された。27日の投開票へ、与野党は選挙活動を本格化させる。自民党は12人の「裏金議員」の非公認を発表。派閥の裏金事件に対する厳しい姿勢をアピールしたが、一方で30人以上を公認しており、野党が激しく批判している。「政権への信任を問う選挙」(石破茂首相)は、政治改革への本気度が試される戦いでもある。
午後4時過ぎの衆院本会議。天皇の名前と印である「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」が記され、「紫のふくさ」に包まれた解散詔書の写しが議長席へ届いた。「憲法7条により衆議院を解散する」。額賀福志郎議長が読み上げると、自民党側の席を中心に、息の合わない「万歳三唱」が起きた。
解散は、午前9時からの臨時閣議で決まった。その重要会議より前に首相が駆けつけた場所がある。自民党本部だ。
「私どもがこの選挙で勝つことが日本国のためである。そのような確信のもと、有権者に真摯(しんし)に向き合い、誠実にこの選挙を戦ってまいりたい」
選挙対策本部会合の冒頭、首相はこう発破をかけた。それは、前日夜までに森山裕幹事長や小泉進次郎選挙対策委員長と何度も協議を重ね、「裏金議員」の公認問題に一定の結論を得た自信の表れでもあった。
首相ら党執行部はいったん、公認作業にあたり裏金問題の有無を考慮しない方針を固めた。だが、世論の強い反発を受けて軌道修正。6日、公認の是非を判断するための三つの基準を定めた。
「これほどきついことはない」 苦渋の判断強調
焦点は、現在も党員資格がなく非公認が確実だった下村博文元文部科学相や西村康稔元経済産業相に加えて、どの安倍派・二階派幹部を非公認にするかだった。
執行部は萩生田光一元政調会長に照準を定める一方、「政治倫理審査会での説明責任」を了とすることで武田良太元総務相、松野博一元官房長官らの公認に道を開いた。
さらに公認判断基準に「地元の理解」を加えることで、選挙戦の情勢にも対応。非公認は計12人までふくらんだ。ただし9日に追加された6人の中には、党の情勢調査で苦戦が予想される議員も含まれていた。敗戦が色濃い議員の公認を外すため、裏金問題を巧みに利用したようにも映る。
党執行部の一人は「これほどきついことはない」と、苦渋の判断であったことを強調。9日の選対会合では、安倍派議員から「野党に批判されて、非公認を積み増したようにしか見えない」と対応が変化する党執行部への苦言も飛び出した。
だが本当の意味で、首相や党執行部が裏金議員を厳しく切り捨てたわけではない。
9日に非公認を通告されたと…
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