▽米消費者マインド指数、4月は大幅に低下-インフレ期待上昇<bloomberg日本語版>2025年4月26日 1:28 JST

Nazmul Ahasan

  • ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)は52.2に低下
  • インフレ期待は5-10年先が4.4%、1年先は6.5%にそれぞれ上昇

米消費者のセンチメントは4月、記録的な低水準に低下。また長期のインフレ期待は1991年以来の高水準に達した。関税による経済への悪影響に対する懸念が背景にある。

キーポイント
・4月の米ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)は52.2に低下
 ・統計でさかのぼれる1970年代後半以降で4番目に低い水準
 ・エコノミスト予想の中央値は50.5
 ・前月は57
 ・4月速報値は50.8
・5-10年先のインフレ期待は4.4%
 ・予想は4.4%
 ・前月は4.1%
 ・4月速報値は4.4%
・1年先のインフレ期待は6.5%-1981年以来の高水準
 ・予想は6.8%
 ・前月は5%
 ・4月速報値は6.7%

  調査が実施されたのは3月25日から4月21日までで、トランプ米大統領が多くの貿易相手国に対する上乗せ関税について90日間の猶予を発表した日が含まれる。一方でトランプ氏は、中国製品に対する関税を145%に引き上げた。

  トランプ政権の貿易政策は、インフレ高進の懸念をあおるだけでなく、経済と労働市場への不安も強めている。ミシガン大の統計では期待指数が47.3と、2022年以来の水準に落ち込んだ。回答者の60%は、自発的に関税の影響に言及した。

  ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は発表文で、「労働市場の見通しは依然として暗い」と指摘。「景気の先行きに関してさらに懸念されるのは、消費者が今後1年間に自身の所得の伸びが鈍化するとみていることだ。消費者がさまざまな警告サインを感じ取る中、安定して強い所得の伸びがなければ、力強い支出を維持できる可能性は低い」と記した。

  今回の調査によれば、消費者による見通し悪化は所得層、支持政党を問わず幅広く見られた。経済や所得、株式市場、住宅購入環境に対する見通しは1カ月前よりも悪化した。

  回答者の約3分の2は、インフレ調整後の所得が向こう1年間に減少すると予想。また、ほぼ同数の回答者が失業率の上昇を見込んでいる。

  期待指数は支持政党を問わず全体的に低下。民主党支持者と無党派層では過去最低を更新した。また共和党支持者でも5カ月ぶり低水準に落ち込んだ。

  現況指数は4ポイント低下して59.8。ただ上乗せ関税の一時停止が発表されたことから、速報値の56.5からは改善した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Consumer Sentiment Slides While Inflation Expectations Jump(抜粋)