Daniel Flatley
- エスカレーションのはしごを用意、使わずに済むこと「切に願う」
- 先週ワシントンで米中当局者が「金融の安定」を協議-ベッセント氏

ベッセント米財務長官は28日、政府は「あらゆる面で」中国側と接触しているが、米国との関税闘争で緊張緩和に向けた最初の一歩を踏み出すのは中国側だと述べた。その理由として両国間の貿易不均衡を挙げた。
ベッセント長官は経済専門局CNBCで「ここからの進展を見守りたい」と発言「緊張緩和は中国側次第だと考えている。中国の対米輸出は米国の対中輸出の5倍に上るからだ。従って125%の関税は持続不可能だ」と述べた。
中国側が一部品目を関税対象から除外するのは、緊張緩和に対する関心の表れだとベッセント氏。自身は「エスカレーションのはしご(段階的な対抗措置)をポケットに忍ばせているが、これを使わずに済むことを切に願う」と述べた。そのはしごには「禁輸措置」が含まれる可能性があると続けた。
米政府は当面、中国への対応を後回しにし、15から17カ国との間で貿易協定の締結を目指していると、ベッセント氏は述べた。最初に合意を発表するのがインドとの貿易協定となっても驚きではないと続けた。
ベッセント氏はまた、ワシントンで国際通貨基金(IMF)・世銀会合が開かれた先週、米当局者らが中国側の当局者らと「金融の安定」を協議したことも明らかにしたが、貿易についての議論があったとは示唆しなかった。
原題:Bessent Says ‘It’s Up to China to De-Escalate’ in Trade War(抜粋)