▽米国とウクライナが天然資源協定、ロシアとの停戦に向け重要な一歩<bloomberg日本語版>2025年5月1日 6:33 JST 

Daniel Flatley、Natalia Drozdiak

  • 米国はウクライナ天然資源開発プロジェクトに優先的なアクセス得る
  • ウクライナは停戦協議で米の支持確保するため合意を目指していた

米国とウクライナは4月30日、ウクライナの天然資源へのアクセスに関する協定に署名した。ウクライナは、ロシアとの停戦協議でトランプ米大統領の支持を確保するため、この合意を目指していた。

  協定により、米国はアルミニウムやグラファイト、石油、天然ガスを含むウクライナの天然資源を開発する新規投資プロジェクトへの優先的なアクセス権を得る。

  トランプ政権は、ロシアのウクライナ侵攻で始まった戦争の終結を目指しており、資源協定はウクライナがトランプ氏の支持を取り付けるための重要な一手となると見られていた。

  ベッセント米財務長官は声明で「この合意は、自由で主権を有し、繁栄するウクライナに重点を置く長期的な和平プロセスにトランプ政権がコミットしていることを、ロシアに対して明確に示すものだ」とコメントした。

  ウクライナのスビリデンコ経済相はソーシャルメディアへの投稿で、「米国と共に、わが国に世界的な投資を呼び込む基金を創設する」と述べた。

  ウクライナと米国の当局者は数週間にわたり協定の文言をめぐって調整を続けていた。今週初めには突破口に向けた動きが加速。細部を詰めるため、ウクライナの交渉団がワシントンを訪れていた。両国は主要な合意内容については一致したが、別個の文書で定める技術的な詳細について議論が続いていた。

  事情に詳しい関係者によれば、ウクライナ側はまず包括的な合意を締結し、詳細は後で詰めることを望んでいたが、米国側はすべての要素を盛り込んだ合意を主張したという。

  今回の合意は、トランプ氏が2期目スタートから100日を迎える中で締結された。世論調査では、経済政策への不満を背景に支持率が低下しており、トランプ氏は成果を上げる圧力にさらされている。また、ウクライナやガザでの紛争に迅速な解決策をもたらすといった公約が実現しれておらず、いら立ちを募らせていた。

原題:US and Ukraine Sign Agreement on Access to Natural Resources (2)(抜粋)

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