トランプ大統領は今朝、自身のSNSであるTruth Socialを通して、ウクライナとロシアに30 日間の無条件停戦を呼びかけた。停戦合意に違反した場合は追加制裁を科すと警告している。ブルームバーグは今回の投稿について「大統領として、欧州諸国と共にロシアとウクライナの和平実現に引き続き取り組む。恒久的な和平を実現する」と強調したものと解説する。さらに「同氏が戦闘の即時停止を引き続き重視していることを示すもの」とも指摘する。これに対してゼレンスキー氏は、8日にトランプ氏と電話会談、「ウクラナ側は30日間の無条件停戦に応じる準備はできている」と答えている。バチカンでの二人きりで会談したあと、トランプ氏はややウクライナ寄りにスタンスを変えているようにみえる。こうした状況の中でプーチンは、トランプ氏の呼びかけにどう答えるのだろうか。なんとなくだが、決着の時が迫ってきたような気がする。

2月にホワイトハウスで喧嘩腰の激論をしたあと、ウクライナ戦争をめぐる和平交渉は大揺れに揺れてきた。その流れがフランシスコ教皇の死去を境に変わったのではないか。4月26日には教皇の葬儀を前にトランプ氏とセレンスキー氏がバチカンで、二人だけで会談した。30日には鉱物資源開発をめぐる基金の設立で両国が合意、文書に署名している。この間、プーチンは対ドイツ戦勝80周年記念式典を前に3日間の無条件停戦を打ち出し、9日には中国の習近平総書記などを招いて記念式典を行なっている。それが終了するのに合わせるようにトランプ氏はSNSで改めて30日間の無条件停戦を呼びかけたわけで、なんとなく水面下で西側諸国の協議が進んでいるようにみえる。この日は朝方、次期教皇に米国出身のロバート・プレヴォスト枢機卿が選出された。白い煙が上がるのに合わせて、ウクライナ戦争が無条件停戦に向かっているようにみえる。これは単なる偶然の一致か。

トランプ氏は投稿の中で以下のように述べている。「毎週何千人もの若い兵士が命を落としており、誰もがこの戦争の終結を願うべきです。私も、そしてアメリカ合衆国もそう願っています。大統領として、私はロシアとウクライナ、そして欧州諸国と共に、永続的な平和の実現に尽力します。この停戦は、最終的には和平合意へと繋がるものでなければなりません。これは非常に迅速に実現可能であり、必要に応じていつでも対応いたします」。同感。無条件停戦が恒久平和に向かうことを願う。ついでにトランプ氏の投稿の全文(英語)も引用しておく。

@realDonaldTrump

Talks with Russia/Ukraine continue. The U.S. calls for, ideally, a 30-day unconditional ceasefire. Hopefully, an acceptable ceasefire will be observed, and both Countries will be held accountable for respecting the sanctity of these direct negotiations. If the ceasefire is not respected, the U.S. and its partners will impose further sanctions. Thousands of young soldiers are dying on a weekly basis, and everybody should want it to STOP. I do, and the United States of America does, also. As President, I will stay committed to securing Peace between Russia and Ukraine, together with the Europeans, and a Lasting Peace it will be! This ceasefire must ultimately build toward a Peace Agreement. It can all be done very quickly, and I will be available on a moment’s notice if my services are needed. Thank you for your attention to this matter!

May 09, 2025, 5:38 AM