◯ ドル上昇、FRBタカ派傾向強めるとの観測=NY市場<ロイター日本語版2018年2月24日 / 07:19
[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派的な傾向を強める可能性があるとの観測からドルが主要通貨に対して上昇した。終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.12%上昇の89.847。同指数は16日には3年ぶりの低水準となる88.253を付けていた。
米国債利回りの上昇のほか、ドルの売りは過剰だったとの見方が台頭したことに加え、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でFOMCメンバーがインフレや景気見通しに自信を深めていたことが判明したことなどで、ドル指数は今週は0.8%上昇した。
マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)のシニア投資アナリスト兼トレーダーのチャールズ・トメス氏は「ドルを巡る市場心理は変化している」と指摘。先物取引のFXTM(ロンドン)の調査アナリスト、ルクマン・オテュヌガ氏は「米国の金利は今年は一段と上昇するとの観測が強まっていることが、今週のドルの上昇の背景にある」と述べた。
FRBはこの日、来週のパウエル議長の議会証言に先立ち、議会に半期に一度の金融政策報告を提出。国内経済の底堅さを踏まえ段階的な追加利上げが正当化されるとの認識を示した。マニュライフのトメス氏は「パウエル議長がよりタカ派的になった場合、ドルをショートにしている投資家はリスクをとりたくないと思われる」としている。
ユーロは対ドルでやや軟調。イタリアで3月4日に実施される総選挙を前に警戒感が出ている。ニュージーランド(NZ)ドルNZD=も下落。米FRBが金融政策の引き締めを継続するなかニュージーランドの金利が過去最低水準にとどまるとの見方が売りにつながった。一方、カナダドルCAD=は対ドルで上昇。カナダの1月のインフレ率が予想ほど低下しなかったことが背景。