野村総合研究所は8日、量子コンピューターや人工知能(AI)、仮想現実(VR)などIT(情報技術)の進歩を予測した「ITロードマップ」を発表した。注目が高まっている量子コンピューターについては、現在カナダのベンチャー、Dウエーブ・システムズが開発で先行する「量子アニーリング方式」に加えて、2020年以降に米IBMや米グーグルが「量子ゲート方式」の量子コンピューターを実用化し、クラウドでの提供を始めると予想した。

量子ゲート方式は現在のコンピューターのICに相当する「量子回路」の実現を目指しており、量子アニーリング方式と異なり、あらゆる計算が可能になる。

24年以降は米マイクロソフト(MS)による「トポロジカル物質」と呼ばれる材料を処理装置に使った汎用的な「トポロジカル量子コンピューター」の研究が進み、IBMとグーグルを加えた3社で量子コンピューターの研究をけん引するようになるとした。

AIやVRなどの技術の見通しについては、9日に発売する書籍「ITロードマップ2018年版」に掲載する。