[11日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が公表した、3月20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、メンバー全員が向こう数カ月間に国内景気が底堅さを増し、インフレ率も上昇するとみていたことが分かった。市場関係者のコメントは以下のとおり。
●利上げは自動操縦モード=パー・スターリング
<パー・スターリング・キャピタル・マネジメント(テキサス州オースティン)のディレクター、ロバート・フィップス氏>予想よりややタカ派的だったが、特に意外性はなかった。連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めは現在は自動操縦モードに入っている。経済指標の良し悪しにかかわらず、FRBは引き締め軌道から外れない。グリーンスパン元FRB議長以前のFRBはこうした対応をしてきた。こうしたことが懸念材料となる可能性はある。経済指標が著しく悪化しない限り、FRBはインフレに対して後手に回ることがないよう、向こう数年間にわたり年に数回利上げを実施していくとみられる。
●貿易・地政学リスクの言及に注目=ブラックロック
<ブラックロック(ニューヨーク)の米国マルチセクター債券部門責任者、ボブ・ミラー氏>連邦公開市場委員会(FOMC)ではまだ重視されていないとみられるものの、市場が幾分神経質になっている新たな下方リスクとして、貿易摩擦、および地政学リスクが家計と企業の信頼感の阻害につながる水準まで高まっていることが挙げられる。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はこうしたことはFRB内で議論されているとかなり明確にしているが、見通しに対する脅威とはまだ認識されていない。現時点ではこうしたスタンスにわれわれは同意する。こうしたことを踏まえると、議事要旨でこのことに言及されたこと自体、メディアが注目するに値する。
●年内あと3回の利上げに傾いている可能性=バイニング
<バイニング・スパークス(テネシー州メンフィス)の首席エコノミスト、クレイグ・ディスムケ氏>議事要旨は、FOMC声明、および経済見通しに見られたタカ派的な姿勢を反映したものだった。ただ、経済とインフレに関する文言の強さはやや意外だった。全般的に議事要旨はかなりタカ派的だった。FOMCが極めて自信に満ちていることを反映している。FOMCの投票権を持つメンバーは、年内にあと3回の利上げを実施する方向に傾いている可能性がある。