トランプ米大統領のツイートに翻弄(ほんろう)される金融市場。金利の上昇とサイバー犯罪の方が大統領のツイートより心配だと、ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は述べました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

変節に猛反発

トランプ大統領が環太平洋連携協定(TPP)復帰を検討するよう指示したことを受け、「言語道断の裏切り。労働者を守ると約束しておきながら、彼らに平手打ちを与えたに等しい」とエリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)は批判。米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のリチャード・トラムカ議長も、「労働者を全面的に裏切らずに復帰する道はまったく考えられない」とツイートした。

ドル箱に変身

10年前に金融危機の前兆となった現象が再び起きているが、今度は逆に金融業界の利益を大きく押し上げる可能性がある。ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の急上昇は、米大手銀行それぞれの税引き前利益を少なくとも10億ドル(約1070億円)押し上げると推計されている。ローンの借り手が高い金利を強いられるのに対し、銀行側のクレジットコストはほとんど変わっていないからだ。

リスク減らすなら今

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグループ最高投資責任者(CIO)、ダン・アイバシン氏は、地政学的な緊張や金利上昇により、今は2016年初めより「ずっと脆弱(ぜいじゃく)」になっていると指摘。「市場参加者はもう少し懸念を強めるべきだ。1、2年前に考えていたリスク許容度を若干下げるべきだろう」と加えた。

ツンデレは通用せず

ノーベル賞経済学賞を受賞したジョゼフ・スティグリッツ教授(コロンビア大学)は、中国は米国を深く理解していると指摘。「彼を知り己を知れば百戦危うからず」ということわざを引用して、慎重な対応とエスカレートを避ける中国のアプローチを評価した。中国は金融市場の開放が自国の経済的利益にかなうようになったとの認識から、米国の立場に歩み寄る可能性があると同教授は分析。どう喝と融和を繰り返すトランプ大統領の戦術は通用しないと述べた。

地球外動物園

トランプ大統領のツイッターをチェックするより、ECBの議事録を読むのに時間を費やすべきだ。最近のユーロ上昇の要因についてECBが出した結論は、相場を上下に激しく揺さぶるツイッターより考えるべきものだとキャメロン・クライス氏は分析。次に衝撃的なヘッドラインを見かけたら、カート・ヴォネガットの小説に出てくる地球外動物園に展示されたトレーダーを想像してほしいと同氏は論じる。

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