[サンフランシスコ 23日 ロイター] – 米グーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL.O)が発表した第1・四半期決算は、利益と売上高がともに市場予想を上回った。底堅い広告販売に加え、新興企業への投資に絡む未実現利益が業績を押し上げた。株価は引け後の取引で約1%値上がりした。
予想を上回る好決算を受け、新規事業への投資がアルファベットの業績見通しを暗くするとの懸念は和らいでいる。また、世界中で高まるプライバシーに対する懸念が規制強化や同社のコスト増につながり、利益が圧迫される兆しはまだ見られない。
ティグレス・フィナンシャル・パートナーズのアナリスト、アイバン・ファインセス氏は「好況下では企業は広告支出を増やす。従来型のメディア広告からオンラインやソーシャルメディア上での広告への移行が進んでいる」と指摘。「グーグルは引き続き、モバイル検索とデスクトップ検索の双方で支配的な地位を占めるだろう」と述べた。
利益は94億ドル(1株13.33ドル)。トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想平均は65億6000万ドル(同9.28ドル)。新たな会計処理に伴い、配車大手ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]など新興企業への投資に絡む未実現利益として1株約3.40ドルが計上され、利益全体を押し上げた。
投資利益などを除く調整後1株利益は9.93ドルで、予想の9.28ドルを上回った。
世界全体の広告収入は311億ドルと、アナリスト予想の303億ドルを超えた。
グーグルが手掛けた広告収入は増加。検索エンジン「グーグル」や動画共有サイト「ユーチューブ」、提携アプリなどへの広告需要が堅調だった。
モバイル向けアプリストアやクラウドコンピューティングなどの売上高は44億ドル。
一方、営業利益率は22%で、前年同期の27%から低下した。台湾のスマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)(2498.TW)から11億ドルで事業を取得するにあたり、従業員2000人を引き受けたことが一因。
アルファベットの実効税率は11%と、前年同期の20%から低下した。
グーグルは今回、グーグル部門に統合されたサーモスタット開発企業「ネスト」の2017年売上高が約7億2600万ドルだったと公表した。ネストの業績はグーグルが2014年に取得して以来、公表されてこなかった。