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ESGに配慮、再エネなど地球環境保護に貢献する案件が対象
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ガバナンスも着目、実施国の投資促進・雇用創出など後押し
麻生太郎財務相は4日、フィリピン・マニラで行われたアジア開発銀行(ADB)年次総会総務セミナーで、国際協力銀行(JBIC)を通じた新たな開発支援の枠組みを創設する方針を明らかにした。ESG(環境、社会、ガバナンス)に配慮した質の高いインフラへの資金供給を拡大し、実施国における民間投資促進や雇用創出などにつなげる。
財務省によると、新設するのは「質高インフラ環境成長ファシリティ」で、国際開発金融機関(MDBs)や邦銀と協調して、一定の基準を満たした質の高い案件への出融資、保証供与を行う。洋上風力や地熱といった再生可能エネルギー、スマートシティなどのインフラプロジェクトを支援対象とする。
JBICは「海外展開支援融資ファシリティ」を通じて日本企業による海外企業の合併・買収(M&A)や資源開発事業を支援してきた。新たな枠組みは同ファシリティの後継の位置付けで、外為特会のドル資金も活用。ESGへの投資という世界的潮流も踏まえ、日本企業の関与する案件に限らず、環境保護に貢献するインフラ整備を支援する枠組みに刷新する。