もしドイツ銀行がロックバンドだったら、1970年代に伝説的なアルバム「噂」を世に送り出したフリートウッド・マックだろう。長年にわたる内輪もめと、意思疎通の遮断、そしてイメージチェンジが何としてでも必要だからだと、ブルームバーグのマーク・ギルバートは10年ほど前に米経済コラムに書いています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

世界で退却

ドイツ銀行は1万人の人員削減と世界各国・地域での株式業務縮小を検討している。1万人はドイツ銀の全従業員の約1割に相当する。ジョン・クライアン前CEOは2020年までに9000人を削減する目標を示していた。これまでに実施したのはその3分の1未満とみられる。24日の年次株主総会に合わせて一連の再編措置を発表する予定。米株市場でのプレゼンスを大幅に縮小する計画だと別の関係者が述べた。中欧と中東、アフリカ地域では既に活動を縮小し始めたという。

今はタカでも

米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は短期的にはタカ派だが、中期的にはハト派的だと市場に受け止められた。FOMC当局者らは、経済見通しから考えて「近く」追加利上げが適切になると予想。またインフレ率が目標から若干オーバーシュートしても問題ないとの認識を示し、より積極的な引き締めには急いでいないことを示唆した。議事録では、イールドカーブの平たん化についても議論があったことが示された。

フェイクではなかった

トランプ米大統領はツイートで、米自動車業界の労働者に「ビッグニュース」が近く伝えられると述べていた。ホワイトハウスの立法担当ディレクターはこれについて、中国が発表した乗用車に課す輸入関税率引き下げのことだと説明。ウォールストリート・ジャーナルは後に、安全保障上の理由から輸入車に新たに最高25%の関税を賦課する計画をトランプ政権が検討していると報道。ニューヨーク株式市場では引け後の時間外取引でトヨタやホンダが下落した。

一時しのぎ

トルコ中央銀行は緊急会合を開き、後期流動性ウィンドウ金利を3ポイント引き上げ16.5%とした。中銀は「今回の利上げは強力な金融引き締めだ」と表明した。これを受けて一時5.5%安まで売られていたリラは持ち直した。ウニクレディトのキラン・コウシク氏は、リラは1ドル=4.4リラまで持ち直す可能性があると分析。エルドアン大統領の選挙演説が為替に関してタカ派に傾斜すれば、リラを押し上げるが、中期的に利上げがリラの支えになる可能性は低いという。

共同声明、無意味に

トランプ米大統領は先日発表したばかりの米中通商合意を退け、最終的合意を成立させるためには協議の方向を変える必要があるかもしれないと述べた。大統領は「中国との通商協議は順調に進んでいるが、恐らく最終的には異なる仕組みを使う必要があるだろう。このままでは完了はあまりにも困難で、その後の結果を検証できない」とツイート。対中政策において政権が一枚岩ではなく、意見を異にする派閥に大統領が左右されている状況を、一部のホワイトハウス当局者は嘆いている。

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