• ドイツ銀行はリーマンと違う、ECB追い打ち、日本の縮図
  • 失業率低下で大統領再選遠のく、次に倒れるドミノ
Photographer: Bloomberg/Bloomberg

リオネル・メッシを応援する費用、金利50%でお貸しします。来週ロシアで開幕するサッカーのワールドカップを控え、インフレ率25%超、政策金利40%のアルゼンチンでは、銀行が渡航費用を貸し出す7年ローンを提供しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

リーマンとは違う

人員削減や人材流出などネガティブなニュースが後を絶たないドイツ銀行は、2008年に経営破綻したリーマン・ブラザーズとは異なると、AQRキャピタル・マネジメントの元マネジングディレクター、アーロン・ブラウン氏は指摘。次に金融危機が起きた場合のドイツ銀行の役割は、どちらかというと米国政府の管理下に置かれたファニーメイやフレディマックに近いだろうと分析した。ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、投資銀行事業からの全面撤退は計画していないと言明した。

ECBが追い打ち

欧州金融市場では、イタリアの債券に対する売りが継続。同国新政権の方向性が投資家を不安にさせているほか、欧州中央銀行(ECB)の政策当局者が今月の会合で資産買い入れ策の終了を議論する見通しを示唆したことが影響した。みずほのピーター・チャットウェル氏は「量的緩和による支援が縮小すれば、イタリア債相場にとって同国のマクロファンダメンタルズの重要性が大きく高まる。今のところ、市場はイタリア債務の膨張リスクに注目している」と指摘した。

日本の縮図

島根県の完全失業率が他県を引き離し、唯一のゼロ%台と全国最低水準を記録している。本来ならば失業者の少ない望ましい状況だが、人口減少で労働供給力の伸びしろが少ない一方、高齢化で介護需要が増えたという地方の悩みの裏返しでもある。NTTデータ経営研究所の山本謙三会長は、「人手不足は大都市よりも島根など地方の方がはるかに深刻だ」と指摘。高齢化先進県の島根で起こった現象は「時間を追うごとに全国に広がっていく」との見方を示した。

失業率低下で再選遠のく

トランプ大統領が発表直前に「楽しみだ」とツイッターに投稿した米雇用統計。統計内容を精査すれば、大統領にとって不吉な前兆が浮かび上がってくる。失業率が底を打つと、景気拡大期はそれから1年前後でピークを付けるからだ。歴代大統領の中で、一期をまっとうしながら再選に失敗したケースでは、景気後退の影響が強い。ジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領(1989ー93年)、ジミー・カーター第39代大統領(77ー81年)も同じ運命をたどった。トランプ大統領は2020年に再選を迎える。

次に倒れるドミノ

ブラジル・レアルの売り浴びせは同国中銀を「難しい立場」に置き、「間違いを犯す余地がほとんどなくなる」と、独アリアンツの主任経済顧問であるモハメド・エラリアン氏がツイートで指摘。最近のアルゼンチンとトルコでの市場混乱に続き、ブラジルは為替の混乱に見舞われる次の新興国となる可能性があるという。

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