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ECB来年夏まで据え置き、対中関税へ大詰め、米経済明るい見通し
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NY州がトランプ大統領を提訴、日銀総裁会見
トランプ米大統領を提訴したアンダーウッド・ニューヨーク州司法長官は、日本の国税庁に相当する米内国歳入庁(IRS)にも調査を付託しました。納税の面でも追い詰める手法は、アル・カポネとエリオット・ネスの闘いを描いた映画「アンタッチャブル」でもおなじみです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
来年夏まで据え置き
欧州中央銀行(ECB)は少なくとも2019年の夏の終わりまで政策金利を現行水準に据え置くと表明。市場予想よりも遅い利上げ見通しを受けてユーロは急落、フランクフルト時間午後8時付近には1.7%安の1ユーロ=1.1590ドルまで売られた。ドラギ総裁は記者会見で、ユーロ圏経済には高まったリスクを乗り越えられる力強さがあると述べ、債券購入を年内に終わらせる決定が妥当との見解を示した。政策委員会は債券購入の月額を10月から150億ユーロに減らし、12月で終わらせることで合意した。
最終判断へ
ホワイトハウスは中国からの輸入品に対する関税措置を15日に打ち出す計画だと、経済専門局CNBCが報じた。対象品目数は800から900で、従来計画していたものより少ないという。米通商代表部(USTR)は4月の時点で、約1300品目をリストアップしていた。この報道を受けて、半導体NXPセミコンダクターの株価が大きく上昇。同社はクアルコムによる買収計画で中国当局の承認を待っている。トランプ米大統領は14日午後に通商関連の顧問らと会合する。
明るい見通し
5月の米小売売上高は前月比0.8%増加。伸びはエコノミスト予想(0.4%)の2倍。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のジョゼフ・ソン氏は「この先もこの力強さが続くと楽観している。特に減税効果が表れつつあることから、消費者はガソリン価格の上昇を吸収できるだろう」と述べた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は前日の記者会見で、「覚えておくべき主な点は経済が非常に好調」であり、成長の見通しは「好ましい」ものだということだと述べた。
お財布代わり
トランプ財団の資産が法務支払い義務やトランプ氏のホテルの宣伝、私物の購入、選挙運動の支援に不正使用されたとして、ニューヨーク州は同財団とトランプ大統領、その家族をマンハッタンのニューヨーク州地裁に提訴した。トランプ氏は直ちにツイッターで「私はこの件で和解などしない!」と反論。ニューヨーク州のアンダーウッド司法長官はこの件をIRSと連邦選挙委員会(FEC)に書簡で付託、連邦法違反の可能性で追加調査を依頼した。
副作用
日本銀行が金融政策決定会合を開く15日、黒田東彦総裁が会見でどのような見解を示すかが注目される。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸氏は、物価は予想よりやや停滞している印象があると分析。消費税が予定通り実施されることを前提とすると、「近い将来、政策の枠組みが変更される可能性はさらに低下した」との見方を示した。副作用として金融機関の収益性低下を挙げたものの、「すぐには政策運営には影響しない」と説明した。
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