政府が15日に閣議決定したことしの「骨太の方針」では、財政を立て直すための新しい計画が盛り込まれた一方、来年10月の消費増税に備えた景気対策の必要性が明記されました。年末にかけて行われる来年度の予算編成で、政府は財政健全化と景気対策のバランスをどう取るか、難しい対応を迫られることになります。

新しい財政健全化計画では、基礎的財政収支という財政健全化の指標を黒字化する時期を2025年度とし、これまでより5年先送りしました。
また、健全化に向けて鍵を握る社会保障費については、高齢者の増加の範囲内に抑えるとしていますが、具体的な金額の目安は示されず、実際にどこまで抑えられるかは毎年の予算編成に委ねられた形です。

一方、骨太の方針には、来年10月の消費増税に伴う景気の落ち込みを防ぐ対策を検討していくことも盛り込まれ、政府は住宅や自動車の購入者に給付金の支給などを検討していくことにしています。

年末にかけて行われる来年度の予算編成では、景気対策に伴う歳出拡大の圧力が高まることは避けられず、一般会計の総額が初めて100兆円に達するとの見方もあり、政府は財政健全化と景気対策のバランスをどう取っていくか、難しい対応を迫られることになります。