[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米中間の通商を巡る緊張が再び高まるなかドルが買われ、ドル指数が約2週間ぶりの高水準を付けた。トランプ米政権は前日、2000億ドル相当の中国製品に課す関税について、税率を当初発表の10%から25%に引き上げることを提案していると明らかにした。これに対し中国は、米政権に対し理性を取り戻すよう呼び掛けるなどしている。

主要6通貨に対するドル指数は0.51%高の95.109と、7月20日以来の水準に上昇した。マニュライフ・アセットマネジメント(ボストン)のシニア投資アナリスト兼トレーダー、チャールズ・トメス氏は「この日のドルの上昇の大部分は通商を巡る緊張の高まりを反映したものだった」と指摘。XEドットコム(カリフォルニア州)のグローバルペイメンツ担当幹部、ギャリー・カードス氏は「全般的に見ると、通商を巡る緊張の高まりはドルの押し下げ要因にはなっていない」と述べた。

地政学を巡る緊張が高まっている時に買われる傾向がある円は上昇。対ドルで0.08%高となったほか、対ユーロでは0.64%上昇した。米中間の緊張が高まる中、人民元はオフショア市場で1ドル=6.8808元と、2017年5月以来の安値を付けた。中国経済への依存が大きいことから豪ドルAUD=も対米ドルで0.5%安となっている。

ポンドは0.79%安の1.302ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は利上げを決定したものの、カーニー総裁が英国の欧州連合(EU)離脱に関連するリスクへの懸念を表明し、金融政策は「歩くべきであり、走るべきではない」との認識を示したことが売り要因となった。

市場では3日発表の7月の米雇用統計に注目が集まっている。ロイター調査によると7月は非農業部門の雇用者数が19万人増加したと予想されている。6月は21万3000人増加した。XEドットコムのカードス氏は「堅調な結果になれば、連邦準備理事会(FRB)は積極的な利上げを継続するとの確信が市場で強まることになる」としている。

ドル/円
NY終値 111.65/111.66
始値 111.46
高値 111.72
安値 111.34

ユーロ/ドル
NY終値 1.1582/1.1586
始値 1.1621
高値 1.1632
安値 1.1582