<アルゼンチン緊急利上げ>
・日経新聞によるアルゼンチン中央銀行は13日、政策金利を5%引き上げ、年45%にすると発表した。
・トルコリラの急落を受け新興国からの資金流出が再開する中、5月以来となる緊急利上げに踏み切った。
<外為市場>
・トルコ市場の混乱やその悪影響の波及を警戒したリスク回避の円買いが優勢だった。
・半面、ユーロは、トルコ向け投融資が多い欧州金融機関への懸念から対ドルで約1年ぶりの安値を付けた。
・トルコの銀行規制監督庁がリラのスワップ取引を制限する措置を表明
・トルコ中央銀行がリラ建てとドル建て債務の支払準備率を引き下げる金融安定化策を発表(bloomberg)
・トルコ中央銀行が金融システムへの流動性供給策を発表したことなどを受け、トルコリラは13日の取引で付けた過去最安値からは一時上向いた。
・ただ売り圧力はなお存在しており、トルコリラ急落による世界的な金融市場への影響は続いている。(Reuters)
<エルドアン大統領の対応」>
・エルドアン大統領が強気な姿勢を軟化させる兆しは全く見られない。
・エルドアン大統領は11日、黒海に面するオルドゥでの集会で「米国に告ぐ。これは恥ずべきことだ。戦略的な北大西洋条約機構(NATO)同盟国を牧師1人と引き換えにしているのだ」と述べた。
・「脅しでトルコ国民をおとなしくさせることはできない」(bloomberg)
<当局の対応>
・トルコ中銀はこの日、リラ建ての預金準備率をすべての期間に対し250ベーシスポイント(bp)引き下げるとともに、非中核的な外貨建て債務に対する預金準備率を期間3年までを対象に400bp引き下げたと発表。
・これにより約100億リラ、60億ドル、30億ドル相当の金の流動性が金融システムに供給される。
・トルコのアルバイラク財務相は、市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したことを明らかにし、13日から実行すると表明していた。(Reuters)
<市場関係者の見方>
・ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジスト、ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は「政策の失敗により債務と流動性の危機へと化している、教科書に出てくるような通貨危機だ」と指摘。
・「このままいけば、市場はトルコ経済のハードランディングと企業の外貨建て債務に関するデフォルト、銀行破綻の可能性に備える必要がある」と述べた。
・ザック・パンドル氏(ニューヨーク在勤)を含むストラテジストらは「ファンダメンタルズの観点から、さらなる波及は限られるだろう」と予想。
・「比較的良好なファンダメンタルズを備えた他国への波及が続くとしても、そうした市場はわれわれが機会を模索する場所だ」と述べた。(bloomberg)
・クレディ・アグリコルの新興国担当シニアストラテジスト、ギョーム・トレスカ氏は「トルコは経済・ビジネス計画を完全に再均衡化させ、大幅な利上げを実施する必要があるほか、中銀の独立性に対する強力なコミットメントを示す必要がある」と指摘。
・ただトルコ企業に大きなマイナスの影響が及ぶ可能性があることから大幅な利上げが実施される公算は小さく、資本規制によりすでにドル不足に直面している企業の外国為替へのアクセスが制限される恐れもあるとの見方を示した。(Reuters)