• 米国が中国に新たな通商交渉を提案、カナダとは13日に再開
  • 原油高で資源国通貨が上昇、英中銀が13日に政策会合

12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。朝方発表された米生産者物価指数(PPI)が前月比で低下したほか、北米自由貿易協定(NAFTA)交渉や米中関係を巡る前向きな見方を背景に、豪ドルなど商品輸出国通貨が買われた。

米国が中国に対して新たな通商交渉ラウンドを提案したことが伝わると、ドルは下げ幅を拡大した。関係者が明らかにしたところによると、米国は中国との貿易関係のさらなる悪化を回避するため、中国に新たな通商交渉を行うことを提案した。ムニューシン財務長官を中心とする米政府当局者は最近、中国の当事者に協議を申し入れたという。

原油価格の上昇も商品国通貨にとって支援材料となった。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が続伸。米国の対イラン制裁でイラン産原油の輸出が乱れる一方、米原油在庫が3年半ぶりの水準に落ち込んだことが政府統計で明らかになった。米東海岸に接近しているハリケーン「フローレンス」も材料視された。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下。ドルは対円で0.3%安の1ドル=111円26銭。対豪ドルでは0.7%安。対ユーロでは0.2%下落し、1ユーロ=1.1626ドル。

カナダのフリーランド外相は米東部時間12日夜にワシントンに戻り、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と翌13日に通商交渉を行う予定だ。ロイター通信がカナダ側の情報を基に伝えた。

セントルイス連銀のブラード総裁は、現在の金融政策スタンスが「すでに中立か、あるいはいくらか引き締め的な可能性を示唆している」と指摘し、諸外国の低金利、米の利上げを困難にしていると述べた。

英ポンドは対ドルで0.1%高。英中銀は13日に金融政策会合を開く。市場では政策金利の据え置きが予想されている。

欧州時間の取引

ユーロが売られた。当局者によると、世界的な貿易摩擦が域外からの需要を後退させたことを理由に欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の成長率見通しを下方修正する見込みだ。ECBも13日に金融政策決定会合を開く。

クレディ・アグリコルの通貨リサーチ責任者バレンティン・マリノフ氏は、ECBのニュースは流れを変える材料ではないと話した。

原題:Trade Reports Boost Australian Dollar; USD Tumbles: Inside G-10(抜粋)
Euro Weakens as ECB Is Said to Lower Growth Outlook: Inside G-10(抜粋)