14日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。米中の保護貿易への懸念が再び強まったことで避難先としてドルが選好されたほか、米国債利回りの上昇も買いを誘った。
ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。今週に入ってからの下げが0.6%程度に縮小した。
米中通商協議の再開を探る動きが見られる中、トランプ米大統領が中国製品2000億ドル(約22兆4000億円)相当を対象とした追加関税措置の導入を進める意向を示したと伝わった。報道を受けて同指数は上げ幅を拡大。オーストラリア・ドルは下落し、円は強含んだ。
米10年債利回りは一時、3%台に上昇した。複数の中央銀行が緩和姿勢を後退させる流れが背景にある。この日発表された統計では、8月の米鉱工業生産指数や9月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)が市場予想を上回った。シカゴ連銀のエバンス総裁は、経済は力強く成長しており年内の米利上げが4回だとしても意外ではないと述べた。
ドルは対円で一時、0.2%高の1ドル=112円17銭と、7月20日以来の高値を付けた。午後4時59分現在では0.1%高の112円06銭。ユーロ・ドルは0.6%安の1ユーロ=1.1625ドル。
欧州時間の取引
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は下落。8月の米消費者物価指数(CPI)統計でコア指数の伸びが市場予想に反して鈍化したことや、トランプ政権が中国との通商協議再開を提案して米中の緊張が若干緩和したことが影響した。
原題:Dollar Cuts Weekly Loss as Yields Hold Gains: Inside G-10(抜粋)Dollar Set for Worst Week in 7 Months as Euro Gains: Inside G-10(抜粋)