• 米中貿易戦争に一時停戦の期待、イラン石油禁輸で日本など適用除外
  • バフェット氏の株買い、世界経済は同時減速へ、英首相にEU譲歩

米中間選挙の下院選で劣勢が予想されている共和党ですが、予想以上に強かった雇用統計に助けられるとの見方もあります。強い経済がトランプ大統領を支える一方、世界経済は来年にも同時減速に入るとの分析も出てきました。来年の経済やマーケットを予測する重要な一週間。米連邦公開市場委員会(FOMC)も予定されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

一時停戦に期待

トランプ米大統領は中国との貿易戦争で妥協点を見いだそうとしているようだ。「中国とディールを成立させる。みんなにとって、とてもフェアなディールになると思う」と記者団に話した。中国の習近平国家主席は上海で開かれる中国国際輸入博覧会(輸入博)で5日に基調演説を予定しており、米中貿易の行方について示唆を与える可能性がある。事情に詳しい複数のアナリストらは、米中首脳会談で何らかの合意がまとまったとしても、貿易戦争は一時停戦としての形式になる可能性が高く、最終的な和平には至らないとみている。

批判に反論

ポンペオ米国務長官はイラン制裁再開に伴う同国からの原油輸入禁止において、日本を含む8カ国を当面適用外としたことの正当性を主張した。ポンペオ長官は4日にFOXニュースの番組で、「最大限の圧力をかけるという大統領の政策は、あした完全な形で施行される」とコメント。イランのエネルギーなどを対象とした経済制裁は5日に発効する。北朝鮮について同長官は、検証可能な形で核プログラムが完全に廃棄されるまで制裁は解除しないと述べた。

新たな前例

ウォーレン・バフェット氏の投資会社、バークシャー・ハサウェイの第3四半期決算では、株式購入額が過去4年以上で最高となった。従来は消極的だった自社株買いについても、8月の数週間で9億2800万ドル(約1050億円)を費やしている。同氏は「極めて大きな買収をもう1、2件」目指しながらも、多くの株価は「過去最高値」に達してしまったと嘆いており、1000億ドルを超えた手元資金の使い道に悩んでいる。

同時減速

世界の主要経済大国は同時に成長を加速させながら2018年をスタートしたが、19年は同時に減速しながらの年明けになるリスクがある。これを主導するのは09年以降最悪の経済成長を記録した中国で、米国との貿易戦争で和解できなければ状況は悪化する恐れがある。ユーロ圏も勢いを失った。問題は米国がこうした逆風に耐え、世界経済の安定に貢献できるかどうかだが、来年はやや減速するとの見方がエコノミストの間では大半を占める。

歩み寄り

英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱後も英国全土が関税同盟に残ることで、EUから譲歩を取り付けたと、日曜紙サンデー・タイムズが情報源を明示せずに報じた。英領北アイルランドの国境にハードボーダー(物理的壁)設置を回避する道筋が付けられたという。同紙は「将来の経済パートナーシップ」でも合意がまとまりそうだと報道。英首相府は4日、報道は「臆測」だと表明。外国為替市場ではポンドが対ドルで上昇した。

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