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不適切な入試について記者会見する岩手医科大の佐藤洋一・医学部長ら(中央)=2018年12月8日午前11時36分、盛岡市、成田認撮影

 岩手医科大、金沢医科大、福岡大は8日、それぞれ会見を開き、「医学部で不適切な入試を行っていると、文部科学から指摘された」と公表した。いずれも、特定の受験生を優遇するなどしていたという。全国81大学の医学部入試を調べている文科省は10月、「複数の大学で不適切な入試が行われている」と発表し、大学による自主的な公表を求めていた。

 岩手医科大は編入試験で、同大歯学部出身の受験生3人を優遇していたほか、今年度の一般入試の追加合格を決定する際、1人の受験生を優先的に合格させたという。

 金沢医科大は今年度のAO入試で同窓生の子ども、北陸3県(石川・福井・富山)の高校の卒業生、現役生と1浪生に加点していたという。また、編入学試験の書類審査でも受験生が北陸3県の高校出身者かどうかや、年齢に応じて得点を調整し、一般入試の補欠合格者を決定する時に年齢を考慮していたという。

 福岡大は、受験生が高校から卒業して何年間たっているかによって、一律に差をつけていたという。

 文科省の調査は、東京医科大が女子と浪人回数の多い受験生を一律に不利に扱っていたことが発覚したことをきっかけに行われている。これまでに、昭和大(東京)が現役と1浪の受験生や同窓生の親族を優遇していたことを認め、神戸大は募集要項に記載せず、医師らが少ない地域の出身者に加点していたことを明らかにしている。順天堂大(東京)も近く、第三者委員会の調査結果を公表予定で、女子の受験生を不利に扱っていたことを認める見通しだ。