- 英首相がEU離脱案採決先送り、米業界が日本車けん制、クアルコム
- 日銀のETF買い、米リセッション不安は行き過ぎ
英国のメイ首相は欧州連合(EU)離脱合意を巡り、敗北のリスクを背負って賭けに打って出るより、採決そのものを棚上げすることを選びました。最悪の場合、採決は来年1月に持ち越される可能性が出てきました。ストラテジストからは、採決までの期間が長引くほど、ポンドの下落が大きくなる可能性は高いとの指摘もあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
来年に持ち越しか
メイ英首相は欧州連合(EU)と合意した離脱案が大差で否決されるとの見通しを受け、11日に予定していた議会採決の延期を発表した。ブリュッセルを訪れ、EU各国首脳から「保証」を取り付ける意向だと表明。EUは離脱協定の再交渉には応じない姿勢を明確にしており、メイ首相は事実上何も変わっていない離脱案を手に来年1月後半に議会採決に臨む可能性が高い。
日本車けん制
米自動車メーカーの業界団体はトランプ政権に対し、日本が市場開放に関するコミットメントを示すまで米市場を日本車に一段と開放しないよう訴えた。米自動車政策評議会(AAPC)のブラント会長は米通商代表部(USTR)の公聴会で、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定に米政権が盛り込んだ条項よりも、厳しい為替条項が必要だとの考えも示した。
適用モデルは限定
米クアルコムはアップルの「iPhone(アイフォーン)」の一部モデルについて、中国での販売差し止めを裁判所が認めたと明らかにした。発表を受けてアップルの株価は一時大きく下げたが、差し止めが適用されるモデルが限定されていることもあり、アナリストらが冷静な見方を示すにつれてプラスに転じ、0.7%高で引けた。
6兆円超え
日本銀行の上場投資信託(ETF)年間買い入れ額が今年、初めて6兆円を上回って過去最高に膨らむ公算が大きい。相場下支えで再び「日銀頼み」の1年となった状況が浮き彫りとなった。ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは「日銀が買っているのに株価収益率(PER)が割安な日本株が上がっていないということは、それだけ地合いが悪いということだ」と述べた。
不安は行き過ぎ
米経済の先行き不安沈静化を図る発言がウォール街から相次いだ。JPモルガンは最近の株安について、リセッション(景気後退)のリスクを「過剰に織り込んでいる」と指摘。ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏も、市場のパフォーマンスと経済データの間にまれな乖離(かいり)がみられるとし、景気減速への懸念が行き過ぎている兆しだと分析した。
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