国際情勢を分析しているアメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」は「ことしの10大リスク」を発表し、アメリカ・トランプ政権のもとで深まる統治機構の衰えなど、潜在的なリスクがいずれ世界に重大な結果をもたらしかねないと警告しました。

「ユーラシア・グループ」は7日、「ことしの10大リスク」を発表しました。

この中で最大のリスクを「悪い種」と表現し、将来、世界に影響を及ぼしかねない潜在的なリスク要因として、トランプ政権のもとで深刻化する民主的な統治機構の衰え、EUへの懐疑論が強まるヨーロッパ、アメリカの同盟関係の弱体化、各国で広がるポピュリズムやナショナリズムをあげました。

そのうえで「世界の指導者が目先の問題に明け暮れているうちに悪い種が芽を出して重大な結果をもたらしかねない」と警告しました。

これに次ぐリスクとしては「米中関係」をあげ、「両国の間の信頼は失われてしまった」と指摘しました。

そして「立場の違いはさらにエスカレートしかねない。双方とも軍事的な対立は望んでいないが、南シナ海での偶発的な事故が本格的な外交の危機に発展するおそれがある」と警鐘を鳴らしています。

また、3番目のリスクとしては「激化するサイバー戦争」をあげ、アメリカが外国からのサイバー攻撃に対する抑止力を高めるため初めて攻撃的な手段に乗り出すことで、サイバー空間での戦いはますます激しくなるだろうと分析しています。

ことしの10大リスク

アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が発表した「ことしの10大リスク」は以下のとおりです。

(1)「悪い種」
(2)「米中関係」
(3)「激化するサイバー戦争」。
(4)「ヨーロッパのポピュリズム」
(5)「アメリカの内憂」
(6)「イノベーション冬の時代」
(7)「非有志連合」
(8)「メキシコ」
(9)「ウクライナ」
(10)「ナイジェリア」