[ニューヨーク 11日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで上昇した。テクニカル的な要因が支えとなったが、米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げに慎重な姿勢を示す中で、ドルに対する見通しは引き続き暗いままとなっている。
テンパス(ワシントン)のバイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「ユーロが上値抵抗帯にぶつかった後、ドルにストップロスの買いが入ったようだ」と指摘。「ユーロ/ドルの急な値動きがドルの幅広い買いにつながった」と述べた。
もっとも、投資家はドルの上値に対し引き続き慎重だった。
今週発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を背景にドルが売られ、ユーロは1.1581ドルに上昇。3カ月ぶりに100日移動平均線を突破した。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の為替戦略グローバル主任グレッグ・アンダーソン氏は、FRBの金利見通しが1月に入ってからのドル安の一因との見方を示した。
米労働省が11日発表した2018年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%下落と、3月以来9カ月ぶりのマイナスとなったが、市場への影響は限られた。
スコシア銀(トロント)の主任FXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、FRBのハト派的な金利見通しとは別に、2019年は循環的かつ構造的で長期的なトレンドがドルの重しになると分析。「米ドルを支援するという観点からすれば、中銀の政策見通しはクライマックスに達している。また財政赤字と経常赤字の拡大はドルの中期的な弱さをもたらすだろう」と述べた。
午後の取引で、ドル指数は0.1%高の95.660。 ユーロは0.3%安の1.1465ドル。ドル/円は108.48円と小幅に上昇。カナダドルは0.3%安。 中国人民元は対ドルで7月下旬以来の高値水準となった。