[ワシントン 20日 ロイター] – 関係筋によると、米中貿易交渉では、主要な構造問題で6つの覚書が準備されている。交渉に詳しい複数の関係者が明らかにした。技術移転、知的財産権、サービス、為替、農業、非関税障壁をカバーするという。
関係筋によると、米中の当局者は先週の北京での会談で文書を交換し、覚書の要点をまとめる作業を行った。この作業がかなり実質的な交渉となったため、週の終わりには当局者がそのまま北京に滞在し、作業を継続することも検討されたという。ただ、最終的には、数日間作業を中断しワシントンで協議を再開することで合意した。
6つの覚書は、両国の通商関係に影響している最も複雑な問題をカバーしており、トランプ米大統領がそもそも、対中貿易関税を決定することになった中国側の慣行を是正することが意図されているという。
関係筋の1人は、交渉がまとまらない可能性もあると指摘。しかし覚書をとりまとめるための作業は、基本方針と、重要課題における具体的な取り組みという双方について、中国の合意を取り付けるために重要な一歩と考えられているという。
米企業が中国で事業を行う際、中国は、米企業が中国の提携企業と技術を共有し、企業秘密の知的財産を中国企業に渡すことを強要していると米国は主張している。中国はこれを否定している。
トランプ政権はまた、業界補助金や規制、事業ライセンスの手続き、製品基準審査など、中国国内の非関税障壁も批判。こうした慣行が中国国内企業を不当に優遇していると主張している。
ムニューシン米財務長官は、中国の金融サービス部門の外資開放を要請している。 また、人民元相場が昨年対ドルで大幅下落したことを受け、米当局者は、中国が輸出競争力を高めるために人民元安を容認していると指摘する。
関係筋によると双方は、施行メカニズムについて議論している。
ロイターは先月関係筋の話として、米国が対中通商合意の条件として、中国が約束した貿易改革の進展状況を定期的に確認する提案をしたと報じた。仮に中国側が合意に違反したと米国が認定すれば、再び関税措置に訴えることも辞さないという。
関係筋によると、両国は、中国の対米貿易黒字削減に向け、農産品やエネルギー、半導体製品の輸入などを含めた10項目のリスト作成も検討している。