イスラエル中部で、パレスチナ暫定自治区から発射されたロケット弾攻撃で乳児を含む7人がけがをした事態を受けて、イスラエル軍は報復の空爆に乗り出しました。一時停戦で合意したという情報も出ましたが、現地では散発的に武力衝突が続いていて、事態が収束に向かうかは不透明です。
イスラエル中部のネタニヤ郊外で25日、パレスチナ暫定自治区のガザ地区から発射されたロケット弾1発が住宅街に着弾し、生後6か月の乳児を含む住民7人がけがをしました。
これに対してイスラエル軍は、ロケット弾攻撃はガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによるものだと断定し、25日午後、ハマスの拠点をねらった空爆を開始したと発表しました。
イスラエルのネタニヤフ首相はロケット弾攻撃を受けて「われわれは激しい反撃を行う」と述べていて、イスラエル軍が報復攻撃に乗り出した形です。
ガザの保健当局によりますと、ハマスの情報機関など少なくとも8か所が空爆され、住民の男性7人がけがをしたということです。
その後、日本時間の26日午前5時ごろになってハマス側から一時停戦で合意したという情報が出たものの、現地ではその後も散発的に武力衝突が続いていて、事態が収束に向かうかは不透明です。
国連事務総長「すべての当事者が自制を」
これは国連のデュジャリック報道官が25日、定例の記者会見の冒頭でグテーレス事務総長のコメントとして読み上げたものです。
この中で「ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾が発射されたのは容認できない国際法違反だ」としてガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスを非難したうえで「すべての当事者に最大限の自制を促す」と述べ、イスラエル側を含む当事者がこれ以上の攻撃を避けるよう呼びかけています。
そのうえでデュジャリック報道官は「事務総長はパレスチナ問題で仲介役を務めてきたエジプトや関係国との接触を通じて緊張の緩和に引き続き取り組む」としています。
国連では26日、安全保障理事会がパレスチナ問題を話し合う定例の公開会合が開かれる予定で、国際社会の対応が注目されています。