【2019統一地方選】自民党本部で取材に応じる二階俊博幹事長(左)と甘利明選挙対策委員長=7日午後、東京・永田町(宮崎瑞穂撮影)
【2019統一地方選】自民党本部で取材に応じる二階俊博幹事長(左)と甘利明選挙対策委員長=7日午後、東京・永田町(宮崎瑞穂撮影)

 統一地方選前半戦の大勢が判明した7日夜、自民党の二階俊博幹事長と甘利明選対委員長は党本部で記者団の取材に応じた。注目の大阪府知事・大阪市長のダブル選で自民党の推薦候補が敗北。二階氏は「謙虚に受け止めたい。敗因を分析し、次なる戦いに備えていきたい」と述べた。発言の詳報は次の通り。

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 二階氏「与野党対決型の北海道知事選を勝利したことは、わが党にとって大きなことだと思っています。開票は続いていますが、わが党の推薦候補は各地で安定した勝利を収めている。一方、党県連が分裂したところは、厳しい結果が出ています。今後の大いなる反省材料だと思っています。今後、党として組織の再確認とともに、しっかり取り組んでいきたい。参院選に向け、この反省の上に立って一枚岩で取り組んでいきたい。大阪ダブル選挙の結果は、謙虚に受けとめたい。敗因を分析し、次なる戦いに備えていきたいと思っています」

 甘利氏「幹事長の発言に全て尽きている。北海道、唯一の与野党対決選を取れたということは良かったと思う。良い候補者のもとに陣営が一糸乱れぬ結束ができたことが勝利につながったと思っています。そして、いくら自民党が強くても現場が割れてしまっては力を発揮できない。結果が出ているわけで、ここはしっかり反省をして結束こそが勝利ということで、参院選に仕切り直しをしたいと思っています。

 大阪については敗因をしっかり分析し、対応したいと思います。現状守るという受け取り方をされてしまった。自民党は改革政党であることは間違いないんですが、メッセージの伝わり方にもう少し工夫が必要だったことも敗因の一つかと思っています。しっかり分析したいと思います」

--今回の選挙結果が参院選に影響が出るか

 二階氏「理屈理論の上ではそうかもしれませんが、それぞれの候補者の日頃の活動、それぞれの支部・県連などの組織が反映するわけですから、一概にこの結果が今後の選挙にどう影響するかは明確でありませんが、それぞれの候補者がこの結果を見て、奮起をされるだろうと思いますし、党も一層力を尽くして次なる勝利を目指したい、自信を持ってやっていきたいと思っています」

 甘利氏「選挙は候補者自身が背水の陣で臨む。それが周りに伝わって初めて結束ができ、勝利につながっていく。今回の選挙で反省すべきことはしっかり反省し、一致結束してそういう環境づくり、バックグラウンドづくりに取り組んでいきます」

 --塚田一郎元国土交通副大臣が「忖度」発言で辞任したが、影響はあったのか

 二階氏「全くなかったとはいえないかもしれませんが、それがあったから、この選挙はどうだったということは思っていません」

 甘利氏「塚田議員は極めて誠実で真面目な議員ですが、気持ちが高揚をし、事実をはみ出るような、本人はサービス精神だったつもりかも知れませんが、そこはしっかり慎重に構えてもらいたかったと思っています。全ての候補者はこれを対岸の火事ではなく、他山の石としてほしいと思います」

 --保守分裂の選挙もあるが、負けた責任は党本部と県連はどう取るべきだと考えるか

 二階氏「すぐに責任を追及するとかではなく、今後の対応について各県連などの意見をよく聞いて、対応したいと思います」

 甘利氏「党本部が推薦を出すときには、その選挙が終わったら、必ず参院選に向けて一致結束することが前提条件だということです。その上で、幹事長と相談をして対応していますので、その前提条件でしっかり取り組んでいってほしいと思っています」

--現時点で幹事長は大阪の今回の敗因をどうみているか

 二階氏「選挙はやはり、それぞれの地域の皆さんが火の玉になって勝利を目指し、突き進んでいくことが大事であって、その点でまだ活動の余地があったのではないかとは思いますが、みんな一生懸命やってくれたと思ってますから、いま選挙結果について、あれこれ言うつもりはありません」

 --大阪都構想に自民党はどう対応するか

 二階氏「都構想といっても、しっかりとした考えがまだまとまっていないわけですから、これに対して自民党がどう考えるかより、これからの対応を慎重に考えていきたいと思っています」

 --保守分裂選では党県連にしこりが残るところもあるが、今後どのようにしこりを解消して参院選への態勢を整えていくか

 二階氏「それぞれの県連に懸命な知恵を出してもらい、再建に取り組むべきです。党本部からどうこうしてもらいたいと、いちいち指図するのではなく、各県連、それぞれの地域がどう奮起するかということにかかっていると思います」

 --保守分裂選で党本部が推薦した別の候補者を応援した県議、国会議員もいるが、処分は

 二階氏「これから各県連から報告を受けて、対処したいと思います」