5年後をめどに発行される、新しい一万円札に「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一の肖像画が使われることについて、韓国のメディアは、「渋沢は戦前『朝鮮半島の経済収奪の主役』だった」としたうえで、「歴史修正主義が反映されたという解釈もできる」と伝えました。
日本政府は9日、一万円札と五千円札、それに千円札のデザインを5年後をめどに一新し、このうち一万円札には「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一の肖像画を使うと発表しました。
これについて、韓国の通信社連合ニュースなどの複数のメディアは「渋沢は戦前の日本による『朝鮮半島の経済収奪の主役』だった」などと伝えました。
報道では、渋沢が設立に携わった日本初の銀行「第一国立銀行」が1878年に朝鮮半島に進出し、韓国併合の8年前の1902年に、日本の軍事的圧力を背景に「第一銀行」の名称で、渋沢の肖像画を使った一円札と五円札、それに十円札を流通させたとしています。
連合ニュースは「過去の歴史を否定する安倍政権の歴史修正主義が反映されたという解釈もできる」としたうえで、「日本の植民地支配を受けた韓国への配慮が欠けているという批判が出ることが予想される」としています。