[ニューヨーク 26日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドル指数が4日ぶりに反落した。第1・四半期の米国内総生産(GDP)成長率は堅調だったが、インフレ指数の伸び鈍化が嫌気された。 

米商務省が26日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)の速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比3.2%増と、前期の2.2%増から加速し、市場予想の2.0%増を大幅に上回った。貿易赤字が縮小したほか、在庫が急速に積み上がり、GDPを押し上げた。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数が1.3%上昇と、前四半期の1.8%から鈍化したことがドルの重しとなった。 

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「全体的に見て、第1・四半期の米成長率は際立っていた。しかし、インフレ指数の軟化が利益確定売りを誘発した」と指摘。「一段落すれば、焦点はドルの強気要因である米国の成長に戻るはずだ」と述べた。 

ドル指数は0.2%安の98.009。取引序盤には1年11カ月ぶり高値を付けた。週間では0.7%高。 

キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、マイケル・ピアース氏は「今週は第1・四半期GDPの伸び加速、3月の耐久財受注の急増、S&P500指数の過去最高値更新など米経済にとって明るいニュースが多かった」と指摘。「ただ、コアインフレの軟化など潜在的な弱さも示されており、FRBは来週も極めてハト派的な姿勢を維持するだろう」と述べた。 

来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。 

ユーロ/ドルは28日にスペインの総選挙を控える中、0.19%高の1.1151ドル。 

英ポンドは0.19%高。週間では0.5%安となる見込み。停滞している欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉への懸念増大が重しとなった。