[北京/ワシントン 7日 ロイター] – 中国は7日、劉鶴副首相が通商協議のため9-10日に訪米すると明らかにした。米国の中国製品関税引き上げ回避を図る。 

中国商務省が訪米予定を確認した。劉副首相は当初3日間としていたワシントン滞在期間を2日間に変更するという。 

外務省の耿爽報道官は、関税で問題を解決することはできないと指摘し、米国側の一連の発言は、その気質から察するに話し合いのプロセスとの見方を示した。「見解の相違があることは普通のことだ。中国は問題を避けることはせず、真摯な姿勢で協議を継続する考えだ」と述べた。 

中国共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」は、 通商協議のために交渉団を米国に派遣する方針を示したことについて、中国政府が今後も冷静さを維持し「公の場での論戦よりも協議を重視」していることの表れだとする社説を掲載した。 

人民日報は、中国がこれまでも米国発の同種の脅威を乗り越えてきたとし、冷静さを保つとする論評を掲載。「対米経済・貿易協議の過程で想定されるあらゆる困難、課題に直面できると中国は100%確信しており、常に平静を保つことができた」と主張した。 

協議に詳しい関係者はロイターの取材に、中国側が「包括的な」課題に対応した政策変更を反映させるため国内法を改正するとした合意を覆そうとしたと説明。わずか2日間の話し合いでこの後退を克服し、補助金やクラウドコンピューティングアクセスといった他の主要課題で合意に至るのは難しいと見通した。 

米中は今週、ワシントンで閣僚級の通商協議を開催することになっていた。しかし、トランプ米大統領が、2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税を10日から25%に引き上げるとともに、追加関税の対象品目をさらに拡大する方針を示したことで、中国側が劉副首相の派遣を中止するのではないか、との観測が広がっていた。 

INGは7日付のリポートで、劉副首相が代表団に加われば、中国の真剣さを示すことになり、米中が協議を進めるとの見方を示していた。