北朝鮮が9日に発射した短距離弾道ミサイルをめぐり、日本政府が対応に苦慮している。安倍晋三首相の信頼するトランプ米大統領が言を左右にしているためだ。13日の国会では訪米を終えたばかりの菅義偉官房長官が苦しい答弁に追われた。

 政府は10日、米国防総省の声明に追随する形で、北朝鮮が発射した飛翔(ひしょう)体が弾道ミサイルであると認定。厳重に抗議したと発表した。

 だが、当初は「誰もうれしくない」と不快感を示していたトランプ氏は同日、米メディアのインタビューで「信頼を裏切る行為とは全く考えない」と態度を一変。「怒っているか」と問われると「いや、全然」と言い切った。

 日米の温度差が歴然となり、13日の衆院決算行政監視委員会では、国民民主党の後藤祐一氏が「対応が分かれている」と追及。菅長官は「トランプ氏の発言は米朝首脳の信頼関係によるやりとりの中で行われたものだ」と述べるのが精いっぱいだった。