CHINA-US-TRADE-ECONOMY
Photographer: GREG BAKER/AFP

4月の米経済指標が相次いで弱い内容となり、米中貿易摩擦が米国の実体経済に影響し始めたことが意識されました。一方、トランプ大統領は日欧に配慮し自動車関税の判断を先送りする見通しだと伝わりました。メキシコ、カナダとの合意が近いことも明らかになりました。対中だけでも苦戦している最中、日欧や南北両隣国とも争うのは得策でないと判断しているのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

貿易戦争の実害

4月の米製造業生産は過去4カ月で3度目の低下となった。対中貿易戦争は価格上昇やビジネス意思決定の複雑化につながっており、製造業が勢いを失いつつあることを示唆している。同月の米小売売上高は市場予想に反して減少。この3カ月で2回目のマイナスとなった。中国からの輸入品残りほぼ全ての関税を25%に引き上げた場合、小売業者はさらなる打撃を受ける可能性がある。

6カ月先送り

トランプ米大統領は検討中の輸入自動車に対する追加関税について、判断を最大6カ月先送りする見通しだと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。欧州連合(EU)と日本との協議が続く中、関係が一段と悪化するのを避けるためだとしている。自動車・同部品に対する最大25%の輸入関税を巡っては、18日が大統領の判断期限となっている。

作業はまだ多い

ムニューシン米財務長官は対中貿易交渉について上院で証言し、「貿易関係を改善するため、中国と集中的かつ真剣な交渉を行っている」と述べたが、「やるべき作業はまだ多い」と発言した。メキシコとカナダとは鉄鋼・アルミ関税の撤廃に向けて合意が近いとの見方を示した。

明暗分かれる

アリババ・グループ・ホールディングの1-3月決算は、売上高と利益がいずれもアナリスト予想を上回った。電子商取引の顧客理解を深め、消費嗜好(しこう)に基づいた商品提案で収益を上げている。一方、テンセント・ホールディングス(騰訊)は純利益が予想を上回ったものの、売上高は16%増と、前年同期の増収率から3分の1程度に縮小し、2004年の上場以来で最も低い伸びとなった。

家宅捜査

フランクフルトの検察当局は資産家8人に対する家宅捜索を行った。いずれもオフショア企業に資産を隠していた可能性がある。2016年に明るみに出た「パナマ文書」に起因するドイツ銀行への捜査が発端。関係者によると、捜査員は令状を持って銀行11行を訪れ、ドイツ銀行はそのうちの1行だった。問題の資産家に関する情報が保管されている可能性があるためだという。ドイツ銀は「捜査は当行に対するものではない」との声明を発表した。

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