[北京/東京 30日 ロイター] – 日産自動車は保有するプラットフォームやパワートレインなどの先進技術を巡り企業連合を組む仏ルノーと特許使用契約を結んでいるが、こうした契約がルノーとフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の経営統合計画に影響を与える可能性がある。複数の関係筋が明らかにした。
関係筋は、ルノーとFCAの統合が実現すれば、統合後の企業はルノーと企業連合を組む日産、および三菱自動車の技術を使用するたびに特許使用料を支払う必要が出てくるのに対し、日産と三菱自はFCAが新たな顧客になる恩恵を受けられると指摘。特に日産が持つ電気自動車(EV)や排ガス削減を巡る技術が鍵を握る可能性があるとの見方を示した。
関係筋は「ルノーは日産のプラットフォームやパワートレインなどに関する技術を使用するたびに日産に特許料を支払っている」とし、ルノーとFCAの統合計画がうまく進めば、FCAは日産の新たな「顧客」になると述べた。
FCAは欧州と中国で排ガス規制厳格化への対応で苦戦するとみられ、統合が実現すればルノーのパワートレイン技術から大きな恩恵を受ける公算が大きい。ルノーのこうした技術の大部分は、電気自動車「リーフ」で先行する日産が主導した研究開発(R&D)で底上げされた。
ただ関係筋によると、現在ルノーが日産に支払う特許料は、日産がルノーに支払う特許料よりも少ない水準にあり、日産はより良い条件を求めている。日産の広報担当者は特許使用料の仕組みについてコメントは控えた。
ルノーは現在、日産の43.4%株式を保有する筆頭株主。日産はルノーの議決権のない株式を15%保有している。FCAとの統合が実現すれば、議決権は得られるものの保有比率は7.5%に低下する。