- 下振れリスク強まったとパウエル議長、対中関税発動保留も
- イランに強力な報復措置警告、米経済統計、アッヴィが買収合意
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は講演で、米経済の下振れリスクが最近強まったとの認識を示しました。米株式市場ではこの日、S&P500種株価指数が約3週間ぶりの大幅安を記録。米中首脳会談やイラン情勢など先行きが見通しにくい要素も多い中、市場では7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.5ポイントの利下げも意識されつつあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
利下げ論拠を補強
パウエル議長は外交問題評議会で講演。講演原稿によると、「貿易に関してあったようにみえた進展が不確実性の深まりに転じ、入手するデータは世界経済の強さに対する懸念を再燃させており、相反する流れが再浮上している」と指摘。「多くのFOMC参加者は、さらに幾分か緩和的な政策の論拠が強まったと判断した」と述べた。
発動遅らせる可能性
米国は米中両政府が通商協議再開に向けた準備を進めている間は、計画している中国からの輸入品3000億ドル(約32兆1500億円)相当への関税賦課を保留することに前向きだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この方針はなお検討中だが、20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)の場でトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会談した後に発表される可能性がある。
激しいやり取り
トランプ大統領はイランが米国を攻撃することがあれば強力な報復措置に出ると警告。「イランが米国に対して少しでも攻撃すれば、偉大かつ圧倒的な力で迎え撃つ」とツイート。「一部では、圧倒的というのは消し去ることを意味する」と続けた。イランのロウハニ大統領は「ホワイトハウスは精神疾患に見舞われている」と述べたと、一部報道機関が伝えた。
景気の弱さ示唆
5月の米新築住宅販売は5カ月ぶりの水準に減少。前月比7.8%減の62万6000戸で、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想全てを下回った。住宅ローン金利の低下にもかかわらず、住宅セクターの弱さが新たに示唆された。コンファレンスボードが発表した6月の米消費者信頼感指数は、2017年9月以来の低水準に落ち込んだ。
しわ対策薬
米バイオ医薬品のアッヴィは、競合メーカーのアラガンを630億ドル(約6兆7430億円)で買収することで合意した。関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」を持つアッヴィは、しわ対策の注入薬「ボトックス」で知られるアラガンとの統合によって成長を促進させる狙いだ。アッヴィはヒュミラが厳しい競争にさらされている中で試験薬の拡充策を模索していた。一方のアラガンは企業分割を検討していた。
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