[ニューヨーク 25日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場は、ドルが主要通貨に対しおおむね軟調に推移、対ユーロで一時3カ月ぶりの安値を付けた。複数回の米利下げ観測が広がり、ドル売りが進んだ。
イランと米国の緊張激化で円に逃避買いが入り、円は対ドルで1月初め以来の高値水準を記録する場面もあった。 終盤の取引で、ユーロは対ドルで0.22%安の1.1373ドル。早い時間帯に一時、1.1412ドルと3月21日以来の高値を付けた。
ドルは対円JPY=EBSで0.14%安の107.145円。アジアの取引時間に106.78円と1月3日以来の安値に沈む場面もあった。米国がイラン最高指導者、ハメネイ師らを対象に追加制裁を科し、円需要を下支えした。
ドルは英ポンドGBP=D3に対し0.32%安、対カナダドルCAD=D4、ニュージーランドドルNZD=D4でもやや軟調となった。 ユーロが軟調となったことなどを受け、ドル指数.DXYは96.131と200日移動平均に近づいた。
セントルイス地区連銀のブラード総裁が、次回連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利下げは不要との認識を示しドルを下支えした。 ブラード総裁はブルームバーグTVとのインタビューで「現状を踏まえると、50bpの利下げは行き過ぎと感じる」と述べた。
連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は講演で、金融政策について米経済が堅調に推移すると見込まれる一方、通商問題などを巡る不確実性が利下げの根拠になり得るかどうかを見極めようとしていると説明した。
テンパス(ワシントン)のシニア外為トレーダー、フアン・ペレス氏は「パウエル氏は変化が急激過ぎたと認めており、様子見姿勢を取りたいのだろう」と分析した。
金利先物相場は、来月の0.25ポイント利下げ予想を完全に織り込み、来月以降さらに少なくとも2回の利下げを見込む確率も高い。
米中首脳は、週内に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて会談する。市場では貿易戦争が少なくとも休戦状態に入るかを注視している。
ドル/円
NY終値 107.17/107.20
始値 106.97
高値 107.39
安値 106.84
ユーロ/ドル
NY終値 1.1365/1.1369
始値 1.1384
高値 1.1398
安値 1.1345