[ウィーン 1日 ロイター] – 石油輸出国機構(OPEC)は1日、ウィーンの本部で定例総会を開き、1月から行っている減産を2020年3月まで9カ月間延長することを決めた。世界経済が鈍化し、米産油量が増加する中、原油価格下支えに向け加盟国が一致した。
OPECにロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」はこれまで半年間にわたり産油量を日量120万バレル削減することで合意していた。 指標となる北海ブレント先物LCOc1は今年25%超上昇。米国はOPEC加盟国であるベネズエラやイランへの制裁を強化し、両国の原油輸出が大幅に減少している。
ただ市場では、世界経済の減速に伴う需要減退や米国の供給拡大により、原油価格は今後上値が抑えられる可能性があるとみられている。
サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は「9カ月間も経てば相場は均衡してくるだろう」とし、サウジとして7月も減産を継続すると表明した。
世界経済については、週末の大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を踏まえ見通しが明るくなったと指摘。「米中が休戦協定を結び、通商協議再開で合意したことから、年後半の世界経済見通しは1週間前と比べて格段に良くなった」とした。
延長期間が半年ではなく9カ月間となった理由について、エナジー・アスペクツの共同創業者、アムリタ・セン氏は「例年需要が軟調となる1―3月期に相場を下支えする必要があるため」と説明した。
2日にはOPECプラスの会合が開かれる。
ブラック・ゴールド・インベスターズのゲーリー・ロス氏は「サウジはトランプ米大統領の要求にもかかわらず、原油価格を1バレル=70ドルにするため努力している。ただ、イランやベネズエラの輸出が減少しているにもかかわらず、それは実現していない」と述べた。
北海ブレント先物は一時2ドル上昇し、1バレル=67ドルに迫った。