[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、ドル指数.DXYが一時1週間ぶり安値を付けた。米インフレ指標が上昇したもののほとんど相場に影響せず、月内利下げ観測が根強かった。 

終盤の取引でドル指数は小幅安の97.06。夏季に当たり薄商いだった。 欧州中央銀行(ECB)の緩和政策観測が広がる中でも、ユーロは対ドルEUR=で0.1%上昇して1.1256ドル。 ドルは対円JPY=で横ばいの108.45円、スイスフランCHF=に対しても小動きの0.9899フラン。 5月半ば以降の下落率はドル指数が1.6%、ドル/円は2.6%。 

米労働省が11日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇し、2018年1月以来1年5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。これを受け、ドルは対円、ユーロで下げ幅を縮小した。 

ほかにも、6日終了週の米新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万3000件減の20万9000件と、4月以来の低水準まで改善した。 ただアナリストらによると、連邦準備理事会(FRB)が月内の次回会合で利下げに踏み切るという見方が広がっており、インフレ指標が影響を与えることはほとんどなかった。 

FRBのパウエル議長は10日、下院金融サービス委員会で証言し、貿易摩擦や世界経済の減速による米景気拡大への影響に対処するため「必要に応じて行動する」と述べた。今月末に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で約10年ぶりとなる利下げ実施に向けた下地を整えた格好だ。 11日の上院銀行委員会証言でも、今月末の利下げを改めて示唆した。 

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの外為トレーダーは「将来景気が弱含む場合に備えた一種の保険として行う利下げ路線が影響を受ける公算は小さい」と話す。 

英ポンドは対ドルGBP=D3で0.1%高。ただ、英景気情勢や欧州連合(EU)離脱期限が迫っていることを背景に、週間ではなお下落している。 

ドル/円 
NY終値 108.48/108.51 
始値 108.11 
高値 108.52 
安値 108.04 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1252/1.1256 
始値 1.1271 
高値 1.1285 
安値 1.1246