[シャンティイ(フランス)/ワシントン 18日 ロイター] – 米国と中国が約1年におよぶ貿易戦争終結を目指す中、ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が18日、中国側の高官らと電話会談を行った。会談に先立ち、ムニューシン氏は今後、対面協議再開につながる可能性もあるとの期待を示していた。
ムニューシン氏は電話会談前、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の開催地である仏シャンティイでのインタビューで、ライトハイザーUSTR代表とともに中国側の高官らと電話協議に臨むことを明らかにし、「現時点で高官級の電話協議を行っており、対面協議を設定することが理にかなっているという意味では今後の実施に期待している」と述べた。この日の電話協議が対面協議につながる「可能性はあるが、結果に関して憶測は控える」と述べていた。
USTRはその後、予定通りに協議が行われたことを確認した。ただ、詳細は明らかにしなかった。
中国外務省も19日、米中が両国の首脳の間で得られた合意を実施に移す方法について協議したと表明。ただ詳細については明らかにしなかった。
また、元駐アイスランド大使を務め、中国外務省下の研究機関、中国国際問題研究院の代表だったSu Ge氏は、正式な議論が今月再開するとの見方を示した。「(両国は)難しい問題に直面しているが、少なくとも実務レベルの交渉の再開では合意したため、期待を持って見守りたい」と述べた。
一方、米政府が18日に公表したデータによると、中国が前週に米国から輸入した穀物ソルガムの量は4月以来の大きさとなった。ソルガムは両国の貿易戦争が勃発した当初から悪影響を受けていた。
米政府が安全保障上の脅威を理由に禁輸措置の対象に指定した中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)について、ムニューシン氏は、米国企業にファーウェイへの販売再開を認めるかどうかは通商協議とは別個の問題だと語った。
ミルケン・インスティチュートの首席エコノミスト、ウィリアム・リー氏は、米中はいずれも重要事項で譲歩する用意は見せておらず、緊張は高まっていると指摘。「不確実性の高まりを受け製造業者は投資に慎重になっており、米経済成長の足かせとなっている」と述べた。また、「中国は自国が尊重されることを望んでいる。中国は面目を保った上で交渉の席に着きたいと考えている」との見方を示した。