韓国政府が12日に発表した輸出管理上の優遇対象国から日本を除外する措置について、国内産業界では材料調達などへの直接的な影響は限定的との見方が大勢だ。ただ、現段階では対象となる品目の詳細が明らかではない上、この措置を機に日本製品の不買運動がエスカレートする懸念もある。各社は引き続き状況を注視する構えだ。

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 除外措置は9月中にも発動される予定。これ以降に日本が大量破壊兵器に転用可能な「戦略物資」を輸入する場合、許可申請に必要な提出書類が増えるほか、審査期間も5日から15日へと長くなる。現地の報道によれば、半導体や通信などの関連物資が対象となる見通しだ。

 このうち日本の電機や自動車など製造業にとって必要不可欠な品目は少ないとみられ、13日に取材に応じた多くの企業が「影響は大きくない」(電機大手)などと回答。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の輸入が滞れば業務に支障が出る可能性はあるが、「韓国メーカー以外の調達先があるのであまり心配していない」(半導体大手)との見方が多い。

 ただ、間接的な波及効果は見通せない。日本が対韓輸出規制の強化を打ち出した7月、トヨタ自動車ホンダ日産自動車の3社が韓国で販売した自動車は前年同月比でいずれも30%超(台数ベース)も落ち込んだ。不買運動が影響したとみられ、自動車大手関係者は「両国の関係悪化が泥沼化する」と騒動の長期化を懸念する。

 システム業界大手の関係者も「今回の措置で被害が出た日本企業から受注が減る恐れはある」と指摘する。経済産業省は「制度の運用次第で想定外の影響が出かねない」(幹部)と警戒を強めている。