【ベルリン時事】ドイツなど西欧主要国の景気が米中貿易摩擦の影響で低迷するのを尻目に、東欧諸国の経済が好調を維持している。国外のマイナス要因にさほど左右されず、賃金上昇を追い風に個人消費がけん引する成長が特徴だ。

 14日に欧州連合(EU)統計局が発表した欧州各国の4~6月の国内総生産(GDP)は、前期比でドイツが0.1%減とマイナス成長に転落。フランスも0.2%増にとどまった。

 一方、ハンガリーは1.1%増ルーマニアは1.0%増ポーランドは0.8%増。前年比では4%を超える伸び率だ。こうした高成長は東欧のほぼ全域で数年間続いており、成長を主導しているのは内需。1時間当たりの賃金は昨年、ルーマニアやチェコで11%超上昇し、個人消費を下支えしている。

 東欧経済に詳しい独メッツラー銀行の主任エコノミスト、エドガー・ワルク氏「輸出も大半が欧州内向けの中間製品。米中貿易摩擦の影響はあるが、独仏などよりは少ない」と話す。

 西欧への労働力の供給元としての立場も変わりつつある。ポーランドの2017年の外国人への居住許可件数は68万件と、EUで最多。移民受け入れ国としての側面が強まっている。