米イラン対立

中東のホルムズ海峡の安全確保のため、アメリカが結成を目指している有志連合について、イランと敵対する中東のバーレーンが参加する意向を表明しました。有志連合への参加を表明したのは、イギリスに続いて2か国目です。

アメリカ政府は、イランとの緊張が高まる中、ホルムズ海峡を通過する船舶の安全を確保するため、有志連合への参加を各国に呼びかけており、これまでにイギリスが参加する意向を示しています。

バーレーンの国営通信によりますとハマド国王が19日、首都マナマを訪れたアメリカ中央軍の司令官に国際航路の安全を確保するため、有志連合への参加を表明したということです。

バーレーンには、ペルシャ湾などを管轄するアメリカ海軍・第5艦隊の司令部や、イギリス海軍の補給基地があり、有志連合が結成されれば、有力な拠点になるとみられてきました。

バーレーンは、隣国のサウジアラビアに歩調を合わせてイランを敵視する外交政策をとってきたほか、最近では国交を樹立していないイスラエルにも接近するなど湾岸諸国の中では反イランの急先ぽうの国となっています。

これに対して、ほかの湾岸諸国はアメリカとイランとの間の緊張がこれ以上高まることを望まない国も多く、アメリカ主導の有志連合に参加を表明する国が増えるかどうかは不透明です。

米「バーレーンの決定を感謝」

中東地域を管轄するアメリカ中央軍は声明を発表し、「航行の自由の維持、海洋安全保障の促進、地域の緊張緩和のためにバーレーンがアメリカやイギリスと積極的な役割を果たすことを決めたことを感謝する」として、バーレーンの参加を歓迎しました。

そのうえで「国際的な航路での自由な貿易は世界経済にとって欠かせないものであり、その自由を守ることは国際的な解決策を必要とする問題だ」として、ホルムズ海峡など中東のシーレーン=海上交通路に依存するほかの国々も、アメリカと行動を共にするべきだとの考えを示しました。