- アジアの大半の国・地域で企業は債務返済ストレスに直面-リポート
- 債務の拡大、銀行の脆弱性、シャドーバンキング慣行も懸念材料
アジアが債務危機に見舞われてから20年余りたった今、危機再来の「不吉」な兆候が見られると、グローバルコンサルティング会社マッキンゼーが警告している。
マッキンゼーは8月のリポートで懸念材料の一部として、債務の拡大や借り入れ返済のストレス、銀行の脆弱(ぜいじゃく)性、シャドーバンキング(影の銀行)慣行を指摘。こうした圧力の高まりが「新たな危機を引き起こすのに十分」かどうかは現時点で不明だが、政府と企業は潜在的な要因を注視する必要があると、執筆者のジョイディープ・セングプタ、アーチャナ・セシャドリナサンの両氏が指摘した。
マッキンゼーはアジア太平洋11カ国・地域の企業2万3000社余りのバランスシートを調査し、これら大半の国・地域で企業が債務返済上の「大きなストレス」に直面している現状を把握。中国やインドなどではこうした圧力が2007年以降高まってきたが、米国や英国では急速に低下しているという。
今回の分析では、インタレスト・カバレッジ・レシオが1.5倍未満の企業が保有する長期債務の割合に注目。この水準では、企業は利益の大部分を債務返済に充てているという。17年に中国、インド、インドネシアでは、長期債務の25%超をこうした企業が抱えていた。
原題:McKinsey Sees ‘Ominous’ Signs of Another Asian Debt Crisis(抜粋)