• 英下院が合意なき離脱阻止の法案可決、米企業は見通し楽観
  • 米金融当局者は消費に注目、米の対中貿易減、米自動車販売
Pedestrians look at a large monitor display showing a news broadcast of Hong Kong Chief Executive Carrie Lam.
Pedestrians look at a large monitor display showing a news broadcast of Hong Kong Chief Executive Carrie Lam.Photographer: Anthony Wallace/AFP

4日の米株式相場は反発しました。香港での「逃亡犯条例」改正案の正式撤回やイタリアでの新政権の発足見通しなど、世界的にリスク要因が後退したことが背景にあります。ただ香港での抗議活動が収束するかは不透明なほか、英国では欧州連合(EU)離脱を巡る政局の混乱が深まっており、株式相場へのリスクは根強い状態が続きそうです。

法案可決

英下院は10月末の合意なきEU離脱を阻止する法案を可決した。今後上院でも通過して成立すれば、ジョンソン首相はEUと新たな離脱協定案で合意を成立させるか、議会で合意なき離脱の承認を得られなければ、EUに離脱期限を来年1月31日まで3カ月延長するよう要請することが求められる。下院での採決結果を受けて首相は10月15日に総選挙を実施する動議を提出したが、議会はこの動議を否決した。

企業は楽観

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米国の景気は7月と8月の大部分において、緩慢なペースで拡大したと判断された。ベージュブックは「関税や通商政策の不透明感を巡る懸念は続いたものの、大半の企業は短期的な見通しについて依然として楽観的だ」と指摘。一方、個人消費については「まだら模様」と記された。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は17、18両日に開かれる。

消費に注目

米金融当局者も消費に注目している。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米経済は個人消費以外は広範囲で減速しており、成長の大半を消費者が背負っている状況だとの認識を示した。またダラス連銀のカプラン総裁は、マクロ経済の弱いデータが消費者の動向に波及すれば、家計支出が落ち込む前兆となり得るとして、状況を注視していると述べた。

7月も減少

米国の中国に対する財の貿易は、7月も引き続き減少した。米中貿易戦争は同月、休戦状態にあったが低調な状態は変わらなかった。米商務省の発表によれば、財の対中輸出は前月比2.7%減。中国からの輸入は同1.9%減った。

日本メーカー好調

8月の米自動車販売は前月に続き前年比で増加したもようだ。調査会社エドマンズは、9月第1月曜日の「レーバーデー」の祝日が今年は9月2日と早めだったため、連休が8月の販売統計に含まれたことに助けられたと分析。日本メーカーも好調で、日産自動車は前年比13%増、トヨタ自動車は同11%増、ホンダは同18%増えた。各社とも、スポーツタイプ多目的車(SUV)が大きく伸びた。

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