【ワシントン時事】トランプ米大統領は27日、香港の自治と人権の擁護を目的とする「香港人権・民主主義法案」に署名した。これにより同法は成立した。香港の反政府デモを支援する狙いの同法について中国政府は審議段階から猛反発しており、トランプ氏が年内の「第1段階」合意を目指す米中貿易協議の行方に影響を与えるのは必至だ。
トランプ氏は声明で「(中国の)習近平国家主席と香港の人々に敬意を払い、法案に署名した」と説明した。「長期的な平和と繁栄に向けて、中国と香港の指導部や代表者が互いの相違を円満に解消できることを願っている」とも強調した。
上院は19日に全会一致で、下院は20日に圧倒的多数で同法案を可決している。このためトランプ氏が拒否権を行使しても、議会で再可決されれば、成立していた。トランプ氏は下院によるウクライナ疑惑に関する弾劾調査の渦中にあり、与党・共和党と対立するのを避け、署名を選んだとみられる。