アメリカの有名科学雑誌「サイエンス」が、ことしの画期的な10の科学成果を選んで公表し、日本の海洋研究開発機構の研究グループなどが行った微生物の進化に関する発見などが選ばれました。

アメリカの有名な科学雑誌「サイエンス」は、年末に、その年の画期的な10の科学成果を選んで公表しています。

ことしは、最も重大な成果として、国立天文台も参加した国際研究グループが行った、世界初のブラックホールの撮影が選ばれました。

また、日本の海洋研究開発機構の井町寛之主任研究員などの研究グループが、私たちヒトを含む多細胞生物が分類される、真核生物というグループに進化した可能性がある微生物を発見し、生物の進化の謎に迫る重要な成果をあげたとして選ばれています。

一方で、この研究はまだ正式な論文としては発表されておらず、「プレプリントサーバー」と呼ばれる、発表前の論文を事前にネット上で公表するシステムが利用されていて、論文発表前での異例の選出となっています。

そのほか、すでに絶滅した人類の化石から得られた遺伝子で顔を再現するなどした、イスラエルの研究グループの成果なども選ばれています。

井町主任研究員は「大変光栄に思います。私たち人間を含む生物の進化の謎に迫るもので、論文は投稿している途中なので、詳細は後日、発表する予定です。引き続き注目してもらえるとうれしいです」とコメントしています。