【ソウル時事】昨年末に開催された北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総会では党幹部人事も同時に決定され、党部長の半数以上が交代した。核開発を主導してきた李炳哲党第1副部長を指導部の政治局員に昇進させるなど、金正恩委員長が新たに示した強硬路線に合わせた顔触れとなった。
李炳哲氏は核・ミサイル開発を統括する軍需工業部で第1副部長などを歴任しており、今回の登用は正恩氏が言及した「新たな戦略兵器」開発に注力する路線が反映されたとみられる。
韓国紙・朝鮮日報によると、総会終了後の記念撮影で党外交トップの李洙※(※土ヘンに庸)副委員長や李容浩外相の姿がなく、共に政治局員から解任された可能性がある。ロシア大使を務めた金衡俊氏が副委員長に選出されており、今後党外交を担当するとみられる。同紙は李容浩外相について「(米朝首脳会談の)失敗の問責人事ではないか」との見方を伝えた。
正恩氏の妹、金与正氏が党第1副部長に就任する人事も発表。与正氏は宣伝扇動部第1副部長だったが、党で最も権力を持つ組織指導部に移ったとの観測もある。このほか、朝鮮赤十字会事務総長として日朝赤十字会談に出席したことがある李虎林氏が政治局員候補兼党部長に抜てきされた。