• NATO事務総長は集団的自衛権で明言せず、米利下げ観測強まる
  • ボルトン氏証言の構え、アップル目標株価引き上げ、アラムコ続落
A Trip Through The Heart Of Central Iran
Photographer: John Moore/Getty Images Europe

米イラン情勢の影響が懸念される中で始まった週明けの米株式相場。朝方は下げたものの、午後に入ってプラス圏に浮上しました。市場が注目するのは世界経済見通しへのインパクト。「今後変わることはあり得るが、現時点でそれほど大きな影響はない」との声が聞かれました。きのう大幅下落した日本株はどういった反応を見せるか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「緊張緩和に寄与せず」

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、イランが革命防衛隊司令官殺害の報復として米国を狙い攻撃した場合、集団的自衛権を発動するかどうかについて明言を避けた。NATO大使級臨時会合後に記者会見し、この件に関してコメントすれば「緊張緩和に寄与しない」ばかりか、緊張を高めるだろうと述べた。

米追加利下げ観測

地政学的な状況を巡り懸念が渦巻く中、トレーダーは米金融当局による追加利下げの確信を強めた。フェデラルファンド金利先物動向は2020年末までの0.25ポイントの利下げを完全に織り込みつつある。2日時点では70%近くの確率だったが、米軍によるイラン司令官殺害で中東を巡る不安が高まると利下げ見通しは3日に一気に強まった。ただ、数カ月前に見られたような切迫した景気シナリオを織り込む展開からは程遠い。

ボルトン氏証言も

ジョン・ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、召喚があれば上院の弾劾裁判で証言する姿勢を表明した。「私が証言する是非が再び問題となっており、相反する深刻な問題をなるべくきちんと解決する必要があった」とのコメントを発表。ボルトン氏は昨年、議会の証言要請に応じないようにとトランプ政権に指示されたとして、下院の弾劾調査への参加を拒んでいた。

なお上値余地

アップルの目標株価をニーダムが350ドルに引き上げた。従来は280ドル。アップルには今年も多くの追い風が吹き、昨年の力強い株価上昇が続く可能性があると指摘した。アップル株は昨年、年間で86%上昇した。JPモルガンも「長期の投資家にとっては一段の上昇余地がある」と分析。サービス事業から得る利益の比率向上や、5G対応「iPhone(アイフォーン)」の年内投入が予想されていることを理由に挙げた。

アラムコの試練

サウジアラムコの株価が続落し、前日比0.1%安の34.50リヤルで引けた。昨年12月に新規上場した際の新規株式公開(IPO)価格(32リヤル)からの値上がりは8%弱に縮小。前日は1.7%下げていた。イラン司令官の殺害でペルシャ湾岸地域での紛争拡大への懸念が強まった。史上最大となった256億ドル(約2兆7700億円)規模のIPOから1カ月足らず。原油高も同社にとってプラス材料となっていないことを株価は示唆している。

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