アメリカのトランプ大統領がイランの司令官を殺害した根拠として、4つのアメリカ大使館がねらわれていたと発言したことに関して、エスパー国防長官は、明確な脅威を示す決定的な情報は見ていないと述べ、トランプ大統領の判断の根拠が引き続き議論を呼びそうです。

トランプ大統領は10日、テレビ番組のインタビューで、イランのソレイマニ司令官の殺害を指示した根拠として、司令官が4つのアメリカ大使館をねらって攻撃を仕掛けようとしていたと主張しました。

これについて、エスパー国防長官は12日、CBSテレビの番組で、明確な脅威を示す決定的な情報はあったのかと問われたのに対し「4つの大使館についてそれは見ていない」と述べ、具体的な情報は把握していないことを明らかにしました。

また、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するオブライエン大統領補佐官もFOXニュースで「アメリカの施設が差し迫った脅威にさらされていることはわかっていたが、攻撃が起こる場所まで把握するのは難しい」と述べ、具体的な情報はつかめていなかったという認識を示しました。

イランの司令官の殺害をめぐっては、野党・民主党からも脅威が本当に差し迫っていたのか疑問視する声が相次いでいて、トランプ大統領の判断の根拠が引き続き議論を呼びそうです。