国や自治体が住宅を都市部に集約しようと進めるコンパクトシティ化。対象区域の多くに災害が想定されるエリアが含まれいかに安全なまちづくりを両立させるかが課題になっています。このため国は、こうしたエリアがある場合、避難施設の整備などの防災対策を自治体に義務づけることになりました。

人口減少や高齢化に伴い、国や自治体は、利便性の高いコンパクトシティ化を目指そうと「居住誘導区域」を定めるよう進めていて、国土交通省の調査では、12月の時点で、275の自治体で区域が設定されています。

その一方で、9割近くにあたる242の自治体で、区域の中の一部に浸水が想定される地域が含まれ、実際に、去年の台風19号では被害が発生しています。

このため国土交通省は、「居住誘導区域」に災害のリスクがあるエリアが含まれる場合などは、自治体に対して防災対策を定めるよう義務づけることになりました。

対象となるのは、「浸水想定区域」や「土砂災害警戒区域」など、「イエローゾーン」と呼ばれるエリアを含む場合などで、防災対策としては高台の避難施設の整備や、建物のかさ上げなどが求められます。

さらに、「土砂災害特別警戒区域」など「レッドゾーン」については、原則、「居住誘導区域」から除外するとしています。

コンパクトシティ化を進めながら安全なまちづくりを両立させるのがねらいで、国土交通省は、現在開かれている通常国会に法律の改正案を提出することにしています。