- 中国が成長率目標の引き下げ検討、貿易合意で米国の柔軟姿勢に期待
- 米ISM製造業が予想以上に上昇、テスラ株急伸、ギリアド薬の治験
米株式相場は反発。新型ウイルス感染拡大を封じ込める各国の取り組みにより経済への打撃を最小限に抑えられるとの観測が広がりました。ただ市場には「新たな症例の件数がピークに達するまで相場は底打ちしないことが、過去の同様の事態から分かっている」との声も。投資家が手探りを強いられる展開は続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
成長率目標を下げるか
中国当局は2020年の成長率目標を引き下げるべきかどうかを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。新型コロナウイルス流行が政府の計画に及ぼす影響を幅広く検証する一環だという。エコノミストは中国が今年の目標を「6%前後」に設定するとみていた。最終決定はまだなされていないとしている。
柔軟な対応願う
中国の当局者らは、米国との第1段階の貿易合意の公約順守を巡り、ある程度柔軟な姿勢を米側に期待している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。第1段階の合意文書には、「自然災害など予見不可能な事象の発生」により米中どちらかの合意順守が遅れるような事態となった場合に両国は協議を行う、とする条項が含まれている。米通商代表部(USTR)代表の報道官は、中国から協議の要請はないと述べた。
米製造業に光
米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業総合景況指数は、50.9に上昇。12月はほぼ4年ぶり低水準の47.8だったが大幅に持ち直し、市場予想(48.5)も上回った。活動の拡大・縮小の境目である50を上回り、月間の伸びとしては2013年半ば以来で最大。低迷に陥っていた製造業セクターの伸びが示唆された。マークイットの1月の米製造業購買担当者指数(PMI)も予想を上回った。
1カ月で80%超の値上がり
3日の米株式市場では、テスラ株が5営業日続伸。一時は前週末比21%高の786.14ドルと、日中ベースの最高値をつけた。上昇率は今年に入ってからだけで80%超。相次ぐ好材料で投資家マインドがさらに上向いている。テスラ向け電池を生産するパナソニックは、同事業で10-12月期に黒字化したと発表。アーガスのアナリストは、テスラの目標株価をウォール街最高の808ドルに引き上げた。従来は556ドルだった。
応用できるか
米ギリアド・サイエンシズの新しい抗ウイルス薬「レムデシビル」について、北京を本拠とする日中友好医院の医療チームが、新型コロナウイルスの治療に有効かどうか治験を行う。レムデシビルは、エボラ出血熱や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの感染症を対象とした薬。臨床試験は武漢市で実施される。ギリアド株はこの日、一時8.7%上昇した。
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